Creator's Sessions[後編]

こころを動かす色とカタチ。それを自分のパレットに載せることができるのは、色とカタチのマジックを本気で信じている人だけなのかもしれません。たとえばこの3人。素材も表現手法もそれぞれ異なる彼女たちは、それぞれどんなやり方でインスピレーションに出会い、それを作品に落とし込んでいるのでしょう? そこではXperia Z5も密かに活躍しているのだとか。

インスピレーションの源泉になるもの

西形の作品たち。キャンバスをベースにしながら、平面から飛び出す立体的な要素が盛り込まれている。

ふだんの街や自然の風景から作品のヒントを得ることはありますか?

西形自然からの学びはすごくありますね。こんなところにこんな配色きちゃっていいの!?っていう驚きに出会うことがある。

矢口そう! 自然って、すごい配色のときがありますよね。

西形魚とか鳥とかすごいですよね(笑)。染色でグラデーションを出す上では、空の色にも刺激されます。夕陽が雲にさしかかったときのピンクグレーの美しさだったり。都内だと、たくさんあるビルが硬い山みたいに見えて、そのなかにしっかり通る青があるとビルとの色の差が際立って、山の中では感じられない美しさがあったり。そのコントラストを写真に撮ったりもするので、カメラは仕事道具としてもとても重要です。

矢口私もたくさん撮ります。光の表現って、季節によって加減がぜんぜん違うし、作品に反映させるのがすごく難しいところです。だからこそ写真に撮っておいて、その一瞬からヒントをもらうことは多いかもしれないですね。

村井人から見たら何を撮っているのかわからないようなものでも、「あっ、きれい」と思ったときに記録として撮っておけば、そのときに見た印象や空気感や光加減を思い出す材料として使えますよね。

矢口私は旅行も大好きなので、旅先でもよく写真を撮ります。旅して、歩き回って出会った人や、食べ物や匂いや空気、非日常の光と影、何もかもがヒントになる。いろいろな断片が少しずつ混ざり合って、あるときふと作品につながるように思います。

西形お気に入りの場所があるんですか。それとも毎回違うところに行くほうが好き?

矢口妹がパリに住んでいるので、そこを拠点にしていろんなところに行きます。Xperia Z5はカメラの性能も高いので、「一眼レフよ、ごめんよ……」と心のなかでつぶやきながら、スマートフォンだけ持っていくことも増えました(笑)。

手で触れて感じるデザイン

村井お二人は、Xperia Z5のデザインのどんなところを好きになってくださったんですか。

西形フラットでほんとに1枚の鏡みたいなフォルムが気に入りました。自分の作品や好きな服は、カラフルで装飾的なものが多いので、スマートフォンはシンプルであればあるほどいいです。

矢口私も自分の作品がデコラティブなので、ふだんから持つものにはすっきりした美しさを求めています。デザインはシンプルなほど難しいというか、ゴテゴテさせるよりも削ぎ落としていく作業のほうが大変ですよね。

村井極力シンプルにして、日常で違和感なく使えるように意識しています。スマートフォンは常に持ち歩くものですから、お二人がおっしゃるように形状や装飾も含めてデザインの主張があまりにも強いと、しつこくなってしまうので。

矢口の作品。「切り紙」を昇華した繊細な造詣が美しい。

矢口それと、カクっとしているのが好きです。大きくラウンドさせずに角を出しているし、面もフラットだし、トータルですっきりと四角くまとまっていますよね。

村井はい。カクっとしてはいるもののエッジの部分に丸みをもたせて、手にやさしくフィットするように工夫しています。

西形モノの手触りって、デザインによってかなり変わりますよね。

村井Xperia Z5はサラっとした質感のフロストガラスを使っていますが、この質感を側面のアルミ部分でも出すために表面加工を工夫して、二種類の素材を組み合わせているのに一枚のフロストガラス板でできているような手触りに仕上げているんです。Xperia Z5 Premiumの方は逆に光沢ガラスでできているので、こちらは側面のアルミに磨きをかけることで一枚の光沢ガラス板に感じられるようにしています。ガラスとアルミという別の素材なので、色も質感も合わせるためにはかなりの試行錯誤が必要でした。

矢口私の作品でも素材はすごく大切です。軸は切り紙でも、それを布にするのか、家具や照明に落としこむのかで、どんどん変わる。素材や色のひとつひとつに選択肢があって、それが総合的にひとつのものになるから、いろんな可能性を考慮しています。

アートとデザイン、それぞれの目的地

西形私は「織り」が創作の過程に入ることもあって、すると素材だけでなく(織り機の)足の踏み込み方ひとつでどんどん仕上がりが違ってくる。だから、あらかじめ織りのパターンも緻密に設計しておかないといけないんです。
でも、作っていくなかでどんどん理想形が変わって行きませんか? その日に考えていたことも、次の日になると「あれ?」と思ったり。

矢口そうそう、紙を切っているときにはある程度の完成形はイメージしていても、手を動かしていくうちに当初のアイディアから少しずつズレていきますね。

西形集中して創作に入り込んでいると、目の前のことしか考えられないですもんね。

村井私も最初の色の組み立てを考えるときは絶対に一人で考えたいので、会社の中でも人のいないところで考えています。頭の中で思い描いている色のイメージを目に見える形に作り上げる作業に集中しているときにはまわりの音があまり聞こえていないかもしれません。

西形デザインとアートの違いはなんだろう?と考えることがあるんです。出発点は同じでも、目的地が違うと思っていて。デザインでは、自分の思いと反することにも「はい」と言わなきゃいけないことがありますよね?

村井そういうこともありますけど、今回のXperia Z5は「絶対にこれがいい」とずっと思っていたことが貫徹できました。制作過程では要望をききながらいろいろな試作品を出しましたが、最終的には「でもやっぱりこっちがいいですよね」と、初期のイメージに近いものに落ち着きました。毎回そう上手くいくわけじゃないですけど(笑)。

西形すごいですね、バチッと決まったわけですね。

村井ただ、最終的な完成を見極めるタイミングはアーティストと異なります。プロダクトの色のデザインの場合は、デザインが決まった後に工場で立会いをしてモックアップに合わせるように色を作り上げていくのですが、何度も調整を重ねて「この色でOKです」と決断するときが最も緊張するんです。それをもとに量産されるので。そのときの気持ちは、お二人が「この色で!」と決めるときと同じかもしれません。

矢口そこは作家もデザイナーも一緒ですね、じゃあ。

村井最初の発想から最終的に完成するまでの期間が結構かかるので、発売する頃には自分の中ですごく昔のことのように感じますね。

対談を終えて

クリエイターとして、いろいろな側面からカタチや色についてのこだわりなどを話し合うことができて楽しかったです。お二人とも聡明で、とてもアクティブにモノづくりと向き合われていることにとても好感を持ちました。何かを創っている人は、初めて会っても話したいことがいっぱいあるものですね。

「切り紙」を多彩なかたちで表現する作家 矢口 加奈子

つくるものは違っていても色をつくるという共通点があり、お話しをさせていただいて共感できることが多かったです。矢口さんも西形さんも作品に対するこだわりがそれぞれあって、その思いを楽しそうにお話しされる姿が素敵だなあと思いました。お二人の個性にぴったりなカラーのXperiaを選んでいただけて嬉しかったです。

数多のソニー製品を担うデザイナー 村井 薫

お二方とも、色を扱うお仕事でありながらスタイルは違っていて、刺激的で楽しいお話を伺うことができました。それぞれのこだわりや個性、無心に何かに取り組む姿勢は素敵だなあ、と感じました。自分の個性を発信・表現するものとして、これからもお互いに刺激し合い、イロと共に生きていくことと思います。

伝統工芸を現代的にアレンジする染織画家 西形 彩庵

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